ナデッチの南インドでなんとなく日記

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テルグ語映画『ガウタミプットラ』を見た感想。ネタバレ。歴史考察。

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チェンナイに訪れている間、夜ひょんなことからイキオイで映画を観ることになった。

 

 

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が、ちょうど良い時間帯に始まる英語の映画がない。あと10分で始まるのは、、、、と限られた選択肢からなんとなしに選んだのは、コレ。『ガウタミープトラ』


チェンナイ=タミル語圏で、『テルグ語映画』。(最初カンナダ語と書いてしまいました。すみません。あまりにもカンナダ語の日常で使う言葉が出ていた為カンナダ語映画と勘違いしていました。テルグ語はインドの南東部、アンドラプラデーシュ州やテランガーナ州の公用語です。どうやらその下のタミルナドゥ州やその隣のカルナータカ州でも話されることもある(?)とwikiにあるので、私がカンナダ語?と勘違いしたのは、そっくりな文字表記とあまりに知っている言葉が使われていたからかもです。失礼しました。)(教えてくださったナンさんありがとうございます!)

 

 

 

で、映画はどうだったかというと、

見た目で戦争と歴史映画、ってのはわかる。

パラパラっと意味わかる単語もある。が、いつの時代だ??と 観賞がてら考察していった。

 

 

ちなみにこの映画の内容は

『インドの王様つっよい!すっごい!敵いっぱいなぎ倒したね!!!!』

以上

 

 

特に内容は、ない

 

 

 

。。。。

 

 

で、まず見た目、インド側に起用してるのが、ドラヴィダ系でアーリア人ではない感じ。船に乗って、外国船と戦うんだけど、相手は面長でひょろっとした赤ら顔。パルティア人か???


あれ?白人の皆様は英語でセリフ喋られて英語字幕にすればいいのに、なぜかみんなカンナダテルグ語喋ってる。。。。(ちょっと、違和感。)

 

 

インド側、偉そうな人々の額のマークからして、まだこの時代、ヒンドゥー教はできてない感じ。でも階級がしっかりしているな。

。。。。この4階級、、、たぶんバラモン教や。

額に太陽神のマーク入れてる人もいる。スーワミ(賢者)もいるぞ。

 

 

背景にデカン高原らしい高原と平地が映る。砂漠にラクダも映る。船での交易もある。インド側はお妃様の宝石ブリンブリン具合からその王族の豊かな感じが伝わる。そして石でできた王宮。



敵のボス(白人)が「アレクサンダー大王が」って言ってる

この辺踏まえて、相手はローマ時代と見た。じゃあインドは、、、、

サーターヴァーハナ朝と見た!

 

 

(すいません、その時代の王一人一人の名前まで覚えてないっす。古代ローマの方はみんな覚えてるんだけど。。。。私のタイプはマルクスアウレリウスアントニヌス♡だよ♡)

 

 

一通り映画を最後まで鑑賞し、ホテルの部屋へ戻り調べてみると、予想してたことが結構ビンゴだとわかった♡

 

 

サーターヴァーハナ朝は、紀元前230~紀元後220あたりと言われて、この映画のタイトルにもなったガウタミープットラは、29人中25番目に王様(在位21年)だったそうな。(この辺の年数とか順位は文献によって若干違うんだけど)

 

 

サーターヴァーハナ朝って、仏教も保護したって私の高校時代の世界史で記憶してたのだけど、まさにその『保護』したのがこの王様、ガウタミプットラーだったと今回初めて知りましたよ。よーく考えてみたら、名前も『ガウタミ』『ゴータマシッダルタ』を崇愛する仏教徒だったけれど、人々を混乱させず、国を平安させるために、バラモン教を国政としたのだとか。(わお!今回は初めて受験生に役立つ内容満載だね!)

 


この時代には、龍樹さんという方がいらっしゃるのですが、龍樹=ナーガールジュナさんも大乗仏教の確立に同時期にご活躍されてます。(彼はカルナータカ北部〜間はラーシュトラ南部で活動されたそうです。by 龍智さん@nagabodhi)

 

漫画家のヤマザキマリさんと、とりみきさん共同執筆の『プリニウス』がありますが、そのプリニウスが執筆した『博物誌』にもサーターヴァーハナ朝のこと、『マガダ国に次ぐ強っい国』って書かれていますね。

 

 

で、王家の位置したのはインドのど真ん中デカン高原。これも当たった!(すみません、映画は完全に現地語で英語字幕なしで観ています)

 

 

面白いと思ったのは、チェンナイの下に位置する、ポンディッチェリーというおフランスエリアがあるのだけど、当時そこからも船を出し、アラビア海に回り、ローマ帝国とも交易をしてたそうな。インドの宝石や香辛料は貴重がられたみたい。季節風貿易ってやつですな。ローマのコインが発掘され残っているとのこと。ほお~

 

 

当時エジプトはローマ領

なんと、残っている文献、エジプト人が書いた劇セリフがあるんだけど、カンナダ語で書かれていると。えええ???(この歴史文献について書かれたサイトを見て、ますますカンナダ語映画?と最初勘違いしました汗)(今となっては、それもテルグ語だったんじゃないの??文字似てるし。。。と内心思っています)

 

 

ってことは映画の中で、白人なのになぜかテルグ語で話してたけど、実際にテルグ語かカンナダ語をローマやエジプトびとが理解し使っていた可能性が高い!ええ~ 不思議。

 

 

でもデカン高原エリアなら、公用語はテルグ語のはずなのに。カンナダ語なんだ。よくわかんないね。←だからテルグ語だったって

ていうかそんな大昔から同じ言語が存在して、しかも同じ文字表記でって、すごいね!!

 

 

この映画、チェンナイ(ドラヴィダ人)で公開されて、でもカンナダ語で、ってなんで???と最初思ったけど、ここもその王朝のエリア内だったものね~なんて想像をめぐらしたりしました。(正確にはテルグ語で、で、どうやら同じ言葉がいくつかカンナダ語にもある、が正しいみたいです)歴史は楽しいね!

 

 

こんなマニアックな映画、日本で公開されることなんてあるかな。。。。無さそうだな。。。と思ったら、されてた!!!!(1月22日に埼玉で自主上映会で上映された様です)

 

そして、あんな立派なお腹(失礼)で、顔もそんな濃くはないが、つぶらな瞳、ひたすらヒゲが濃い王様(ちなみに演じたのは『何だ無理!!』じゃなくて、『ナンダムーリー』さん)

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わたし的には個人的な趣向の違いからか、一切カッコよく見えない要素満載でしたが、そんな彼よりもカッコよく見える白人の役者さんは、一人も起用されていませんでした。

 

あと、ローマやセルビア側は、服の感じとか歴史に忠実だったと思うけど、インド側、豪華にしすぎ。明らかに機械織りの模様のサリーとか、カーテンとか、踊り子衣装とか、もう少し無地だけど華美なのが良かったなあ。。なんて思いました。

 

 

映画としては面白くはなかったけど、歴史思い出したり考えたりできて面白かったので、OK👍

 

以上、勢いでテルグ語映画観て思ったことでした~

 

 

 

あ、あと、主人公登場シーンとか、人が戦闘シーンで拳がぶつかる瞬間とか、無意味にスローになるのがちょっとウザかった大げさだったかな?インド美女のシュリヤ・サラン(王様の妃役)(エラ張ってるとこが可愛い)

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や、ヘママリニ(王様のお母さん役)

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が観れます^^

 

 

個人的には、騎兵や歩兵やら色々なプレーヤーが一堂に会す平地での戦いシーン、もっと戦術っぽいとこを映してほしかったなあ。。。白人種側は、前列騎馬隊が左右に分かれたところを弓兵が前進し一気に弓を放ったり、とか、そういう流れが見えてよかったと思うんだけど、インド側。。。。ただ突撃しなぎ倒す。って、ええ?そんなそれだけ? なので強いガウタミープットラが活躍するまでは、インド人側は、ただ命令されるままに敵に向かって歩を進め、あっさりやられまくり、それでも後陣は何も考えず前進し続ける。こわい


あと、ガウタミプットラが毒か痺れ薬でちょっとお休みするシーンがあるんだけど、いなくなった途端に誰も彼の代わりの作戦を立てられずぐちゃぐちゃのまま戦闘始まっちゃってダメダメ、、ってのも、うわー。。。。それだけ能力の差があったってことかあ。。。。でもなあもうちょっとさあ、、、って感じでした。

 

 

誰見ても面白い要素が少ないと思うけど、面白かったです!!!

 

 

 

 

 

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